SSDがもたらす快適制作環境
SSDとデザイナー
SSDはHDDに比べて高速であるという刷り込まれた知識、写真や動画もやりデザイナーには必須アイテムです。SSDを使い始めるとHDD環境でどれだけ時間が無駄になっていたかを実感します。
2021年末、とある映像案件で息子と自分の制作環境に大幅にSSDを導入しました。これまではブート環境にしか使っていなかったSSD、映像の元データを保存するデバイスをSSDにしました。購入金額はそれなりにいってしまいましたが、編集スピードは劇的に改善されました。
スピードがアップするとクリエイティブの品質も変化します。時間が余計にあるので、詰めの作業の密度が変わります。
デザイナーでもフォトグラファーでも映像クリエイターでもSSD化がおすすめです。
OSのドライブ
どんなソフトを使おうとOSがないとコンピューターを起動すらできません。起動ドライブはSSD一択です。これが高速でないと他を高速にしても意味がありません。
AfterEffectsの場合
もしあなたがHDDの環境でAfterEffectsを頻繁に使うのであれば、即刻SSD化してください。素材のスクラッチ、プレビューの作成、すべてが高速になります。読み込んだ映像をプレミアのようにすいすいプレビューすることも厳しいAfterEffects、少しでも処理を高速にしたいものですが、SSD導入でありえないほど高速になります。
Photoshopの場合
キャッシュ用のデバイスもSSDにしてしまえば高速になります。編集時、結局は一時ファイル(キャッシュ)とのやりとりが処理速度の要になっていきます。HDDは出来上がったデータの保存と割り切ってしまったほうが良いです。
Illustratorの場合
正直HDDでもあんまり変わりません。そもそもIllustratorはベクターデータの編集でデータ容量はそこまで大きくありません。もし自分がイラレしか使わないデザイナーだったら、別に不満もなくHDD環境のままだと思います。
ただし割付画像の多いエディトリアルの場合は話は別です。やっぱりSSDでないといやです。
AfterEffects制作環境改善計画
自分のWindowsのホストマシンの起動デバイスはすでにSSDでした。データ用に4TBのローカルHDD、Googleドライブに直接保存する経路もあります。
10分程度の映像制作の依頼があって、この環境ではちょっと不安になってました。
息子もSSD買ってくれと懇願。息子の環境も上記と同じものでした。
形と接続インターフェイスが2種類あるSSD
ひとつはHDDのように2.5インチのケースに入っているもの、もうひとつはむき出しの基盤になっているもの。それぞれ接続インターフェイスも異なります。
形が違うからと言って速度が決定するわけではありません。
AfterEffectsで高速化を狙うなら、もちろんM.2タイプしか選択肢はありません。ところが息子のマシンにはマザーボードにM.2スロットがありますが自分のマザーボードにはM.2スロットがありません。でも、大丈夫。M.2スロットは実はPCI Expressの形のちがうやつ。アダプターを使えばM.2を利用できます。と、息子てつろうから教えてもらいました。
M.2と書いてあっても速度はいろいろ
きっと速いやつほど高いのは当たり前なんですが、値段以外にどこを見れば良いのか?
SSDの速度はSSDの構造や、接続インターフェイスできまります。
SSDの構造
耐久性にも関わるものですが、SingleLC/MultiLC/TrippleLC/QuadLCとあります。多分。それぞれメモリの最小単位に保存できるデータの大きさが1,2,3,4ビットと変わり、数字が大きくなるほど安価で高速になりますが、耐久性が低いとされています。
M.2の接続インターフェイス
スロットの形がM.2でも通信はSATAというオチのものもあります。PCIeと書いてあるものを選びましょう。さらにPCIeの次にある文字Gen3かGen 4かも重要です。当然Gen 4のほうが高速です。
実際に導入したSSD
息子てつろうには
キングストンテクノロジー Kingston SSD NV1-E 2000GB 2TB M.2 2280 NVMe PCIe 3.0×4 SNVSE/2000G
¥22,980
父は
Samsung 980 1TB PCIe Gen 3.0 ×4 NVMe M.2 最大 3,500MB/秒
¥12,990
を導入しました。
両方ともM.2タイプでPCIe Gen 3。Gen 4はまだちょっと高くて、コンピューター2台同時導入だったのでガマンガマン。
で、変わったか?
劇的に高速になりました。AfterEffectsはどういうわけかプレミアのようにサクサクと映像をスクラブできません。もたもたします。そのもたもたが完全に解消されました。
フッテージは各自のローカルSSDへコピーして、aepは共有ドライブで同じものを使う。ドライブレターさえあっていれば同じファイルを参照していくので、息子も父も高速な環境で映像の編集ができるようになりました!
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SSDがもたらす快適制作環境のヒント
厳密にいうとSSDには、上記以外にもmSATAや1.8インチというのもありますが、少数派でほとんど見ることがなくなりました。この少数派はSATAやM.2と互換性がないので換装することはできません。
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