Photoshopの3D機能の未来

は、あんまり明るくなさそう
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Photoshopの3D機能の未来

使いにくいPhotoshopの3D

 Photoshopの3D機能は crftの勝手マニュアル でも放置状態になっています。なぜ放置かというと、単純に使いにくいことこの上ないからです。レンダリングは遅いし、3D空間のオペレーションもやりにくい。LightWave 3Dを古くから使っている新田(父)、Blenderマニアの新田(長男)からすると全く使わないツールなので、結局、使い方がわからないといったのが主な理由でした。

Adobe Substance 3D

 3Dのアセットを作成編集できるスイートがAdobe Substance 3D としてリリースされて、さらにPhotoshopの3D機能の存在意義が薄れてしまいました。Substance 3Dは以下のアプリで構成されています。アプリの内容は使ったことがないのですべて想像の範疇です。

Adobe Substance 3D Stager

 バーチャルスタジオというキャッチコピーがついているので、いわゆるレンダラーなんだと思います。

Adobe Substance 3D Painter

 3Dペインターなんだと思います。

Adobe Substance 3D Sampler

 実世界にある様々な素材を3Dのマテリアルアセットとして編集作成するアプリなんだと思います。

Adobe Substance 3D Designer

 これもマテリアルを作成するアプリのようですが、Substance Samplerとは違って、実世界を飛び越えて様々なパラメーターをノードで編集して新たな素材表現が可能なマニア向けマテリアルエディターだと思われます。

Adobe Substance 3D Modeler

 たぶんモデラーだと思います。何気にまだベータです。

 正直、Photoshopの3D機能とは完全に異なったアプローチな気もしますが、これだけ大規模に3D関連のアプリをリリースしたらPhotoshopの3D機能は中途半端極まりないものになってしまってます。残念。

正式発表されたPhotoshop3D機能の廃止

 日頃からあまり縁のなかったPhotoshopの3D機能、Adobeのウェブサイトで正式に廃止が発表されていました。

技術的な理由から、Photoshop の 3D 機能セットは最新のオペレーティングシステムでは正確に動作しません。そのため、Photoshop 22.5 をもって、この機能を削除するプロセスを開始します。3D 機能を使用する場合、警告メッセージが週に 1 回表示されます。「環境設定」をリセットして、警告メッセージをもう一度表示し、この記事の詳細リンクを参照してください。

 うーん、すげぇ。でもこれは正解だと思います。どうにも使いにくいものでしたし。

 でもAdobe Substance 3Dも使いやすそうかというとそうでもない気がします。3Dって機能や目的を限定してしまうと逆に使いにくい道具になってしまう気がします。きっとデザイナーが使いやすいツールを目指しているんでしょうけど、アニメーションができないのは致命的だし、3Dに対するアプローチが独自すぎて、何に使ったらよいのかわからない道具になってしまった感じがします。

 しかも月6000円ちょっと別途Substance 3Dに支払わないといけないってのはキツいです。せめてコンプリートに含んでくれれば使い始めるかもしれませんけど。

今後の3Dグラフィック

 2022年1月現在で想像できるのは、さらにBlender 一強になっていく流れではないかということです。弊社株式会社ジェットセット でも最近は3D案件はすべてBlender で対応するようになってきました。

 オープンソース(無料)でここまで高機能で洗練されたツールが存在すること自体がもう信じられません。まだまだ進化の余地は感じますが、十分仕事でも使えるレベルになっているのが今のBlender で、3.0で正式リリースされたジオメトリノードなんて、もうHoudini を凌駕する出来だと思います。

 いっそAdobe Blenderになってしまえば良いのに。。。

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Minoru Nitta
グラフィックデザイナー・フォトグラファー
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勝手マニュアル進捗 39%