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ジェネレーティブ塗りつぶしの威力

Photoshopベータで解放されるパワー
LA canyon hero image

ジェネレーティブ塗りつぶしの威力

ベータに実装されたジェネレーティブ塗りつぶし

 生成AIのAdobe Fireflyのベータリリースに合わせて公開されたPhotoshop 24.7ベータ版、ジェネレーティブ塗りつぶしという機能が搭載されています。

 ジェネレーティブ塗りつぶしはFireflyを利用して選択部分に対してプロンプト(文字列)を入力することで領域を塗りつぶす機能です。

 言い換えると、選んだ部分に画像を生成する機能で、塗りつぶしとは言いつつ普通に自動描画機能のようなものです。

 既存の機能でコンテンツに応じた塗りつぶしが同じような機能に思えますが、全くのレベル違いの機能で、コンテンツに応じた塗りつぶしは既存の画像を参考して新たに領域を埋めるという考え方ですが、ジェネレーティブ塗りつぶしは無から有を生み出す機能です。

ジェネレーティブ塗りつぶしを使うには?

Photoshopベータをインストール

 ジェネレーティブ塗りつぶしを利用するにはまずPhotoshop 24.6ベータをインストールする必要があります。

 Photoshopのベータ版のインストールはデスクトップ版Adobe Creative Cloudアプリから簡単に行えます。

photoshop beta

 アプリタブを選択して、左のカラムからベータ版アプリを選択、Photoshop (Beta)の欄にあるインストールボタンをクリックすれば完了です。

 最新のリリース版とベータ版両方インストールしておくことが可能なので、適宜使い分けることも可能です。

ジェネレーティブ塗りつぶしは何に使える?

 塗りつぶしというくらいなので、何もないところになにかを描画するということです。

邪魔なものを消す

 邪魔なものを消して、あたかもそこに存在しなかったように背景や画像の要素を再描画することができます。

photoshop generative fill

 不要な部分を選択して、ジェネレーティブ塗りつぶしを実行します。

photoshop generative fill emika result

 この画像の結果を得るために、プロンプトを入力して何回か生成しなおす必要がありましたが、結果は驚異的です。

 プロンプトは

 “empty sofa against wooden wall

 でした。

背景を伸ばす

 ハリウッドにあるトレイルコースで非常に景色の良いところですが、この写真は縦に撮影したので、イマイチ風景が写っていません。

 そこで、こんな感じでカンバスを横に延長して、延長した部分を選択、プロンプトは空欄のままジェネレーティブ塗りつぶしを実行してみます。

 見事に山や雑木林が延長されました。

 でも、拡大してみると生成された部分はすこしぼやぼやしています。

 とは言いつつ十分実用レベルであるといえます。

無いものを追加する

 今回はちょっと意地悪に選択範囲が山にかかるようにし、ここへおおきな宇宙船を描画してもらおうと思います。

 これは見事と思ったけど、なんかスケール感が微妙といえば微妙。

 でも、描けといわれても中々サクっとは描けないレベルのもが数秒で手に入りました。

 すげぇ。

改ざんする

 髪の毛の形を変えてみようと思います。

 選択の仕方に若干企みを感じますが、”funky hair”で生成します。

。。。

背景を入れ替える

 ここまで生成できるなら、背景をごっそり入れ替えることも可能なはずです。

 こんな感じで被写体を選択、選択範囲の反転で背景をごっそりと選択します。

 今回は以下のようなプロンプトを入力してみました。

 “man sitting on the beach islands in distance tropical”

 選択が甘かったのか、被写体のアウトラインが微妙なことになっていますが、すごいです。

 LAの山から一挙にトロピカルビーチへワープです。

画像を無から生成する

 ここまできたら、なんでも生成です。

 無から画像を生成することも可能なはず、

 プロンプトは

 “a man sitting on tropical beach islands in distance

 概ね一撃で描画されました。

 でも目が妙なことになっていますし、右手もなんだかヘンです。

 よーく見ると他にも違和感のあるとことろが。。。

Photoshopベータのジェネレーティブ塗りつぶしの結論

 やばいレベルであることは確かです。

 でも残念ながら仕事で使えるレベルにはなっていない印象でした。

 ラフやバリエーション出しにはもってこいの機能であり、最終的な写真やイメージはクリエイターの意図が視覚化されたものが結局必要になるなという感じです。

 しかし、生成AIの精度は日々進化しています。

 著作権が処理されていて商用利用が可能であるというAdobeの画像生成AI、これもしかしてAdobe Stockの存在を脅かしてしまうんでは?

 少なくとも今後ラフを作成する場合はStockではなく、AIを利用していくと思います。。。

Picture of Minoru Nitta
Minoru Nitta
グラフィックデザイナー・フォトグラファー
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