人物の写真を修正なしで入稿することはまずありません。特に肌の調子や修正は必ず行う作業です。
モデルさんも必ずプロということでもありませんし、ヘアメイクさんの腕がイマイチだと肌荒れもうまく隠せません。
そんなときに便利なのがフリークエンシーセパレーションという、色情報と輝度情報をわけて、肌の調子を簡単に修正してしまうテクニックです。
このテクニックは自分も所属している mohawk という写真チームの仲間、 Derek Makishima 氏に教えてもらったものです。
今回使用したファイルは新田がHasselblad H6D-100で撮影した写真で、解像度を1783x2404まで落としたものを使っています。
2 レイヤーの複製を2つ作成する
この動作を2回繰り返して複製レイヤーを2つ作ります。全部で同じイメージが3レイヤー作られます。元レイヤーには何もしませんが、このような作業をするときは必ず元画像をもとのまま残しておくことをおすすめします。
次に”originalのコピー”をぼかして、
“originalのコピー2”に画像操作…をしていきます。
4 ”originalのコピー2”を画像操作…する
3Dでいうところのバンプマップ、もしくはディスプレイスメントマップといったところでしょうか。自分の認識ではこの中間にあたるようなものだと思います。
このあたりから操作が少し謎めいていきます。
“originalのコピー2”レイヤーを選択して、イメージ>画像操作を選びます。
設定内容はこのようにします。ポイントは3つあります。
レイヤー
:originalのコピーを選択
2でぼかしたレイヤーをえらびます。画像操作の元情報にぼかしたレイヤーを利用するということです。
描画モード:
減算
スケール
:2
オフセット
:128
この3つの意味は全くわかりません。わかる方がいたら教えてください。でも、この数値でないとできないんです。
このように”originalのコピー1”と”originalのコピー2”両方のレイヤーを選びます。
そのあと(Win)/(Mac)+gでグループフォルダにします。
グループフォルダにすることによって、調整する2つのレイヤーを一度に表示・非表示することが可能になります。
7 肌ムラをとる
投げ縄ツールを選択して、選択範囲の境界線のぼかしを20ピクセル程度に設定します。
経験上、この選択は大胆にいったほうがきれいな結果になることが多いようです。元のイメージを思い出してください。そもそもぼかした画像です。ムラをなくすためにさらにぼかすわけですから、小さい範囲を繰り返しぼかしてしまうと、小さなボケの集合体になって、かえってムラを作ってしまうかもしれません。
自分はこの工程はやっても2~3回です。そのかわり範囲をよく狙って行います。
(Win) / (Mac) +hキーで選択範囲を非表示にします。このコマンドを使うと選択範囲を選択したまま非表示にすることができます。
プレビューを見ながら調節します。
8 その他の気になる部分を修正する
シミやほくろなどハイコントラストで凹凸がある部分を修正していきます。
前の工程での選択範囲を解除します。解除は
“originalのコピー2”をレイヤーパネルで選択して、パッチツールを
以下に参考ファイルを公開します。お気軽にダウンロードしてください。ファイルはあくまでも研究用とします。商用には使用しないでください。
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クリエイティブ・コモンズ 表示 – 非営利 – 改変禁止 4.0 国際 ライセンス
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