デザイナーのプリンター目次
デザイナー三種の神器
かつては三角定規、ピンセット、カッター、ロットリングあたりがデザイナーにとって必須な道具。
そのようなアイテムがコンピューターとグラフィックソフトに置き換わって、コピー機、FAXが複合機のプリンターとeメールに代わり、紙焼き機はリアル版下の入稿がなくなったことで完全に絶滅しました。あ、あと写植も無くなってしまいましたね。
そして、今どきのグラフィックデザイナーが必要なものは、速いコンピューター、大きくてキレイな画面、そしてレーザープリンターだと思うのです。
紙というメディアはかなり廃れましたが、まだ当分絶滅はしないと思います。その衰退はしているけど絶滅しないメディアが存在する限りグラフィックデザイナーが自分のデザインしたものが紙の上でどのように再現されるのかできる限り知る必要があるというのが、レーザープリンターが必要であるという理由です。
インクジェットじゃだめ?
もしかしたら良いのかもしれませんが、あくまで個人的で少ない経験から振り返ると満足のいくインクジェットプリンターに未だかつて出会ったことがありません。
キレイなだけではだめで、デザイナーにとっては、普通にオフセット印刷された感じの結果になることが好ましく、インクジェットプリンターでは独自路線の色の再現方法で一般的な印刷では得られないキレイな結果になるようにできているものがほとんどな印象です。
例えば写真を専用の用紙に印刷すると写真やさんで印画紙に紙焼きしたような美麗な結果を印刷できるプリンターも数多く存在します。
同じ写真をオフセット印刷したらもはや印刷のほうがボロくなるわけで、デザイナー的にはむしろ普通に印刷したらどのようにボロくなるのかを確認しておきたいのです。
インクジェットが美麗な理由のひとつにインクカートリッジが何色も用意されているというのがありますが、これもCMYKしかない印刷ではできない発色になってしまいます。
プロ用になればなるほど大は小を兼ねない
インクジェットには良いところもたくさんあって、レーザープリンターも然りです。しかしこの2者、自分にとっては似て非なるもの、印刷という処理は同じであるものの、デザイナーにとってインクジェットとレーザーは用途が異なるように思えます。
小規模な事務使いであれば、どちらでも良い気がしますがグラフィックデザインの道具としては、印刷工程と似ているカラーレーザープリンターがデザインの道具として適していると思います。
実は自分は複合機のインクジェットを1台、カラーレーザープリンターを1台使っています。
でもデザインの仕事でインクジェットプリンターを使ったことは皆無です。これは目的とする印刷物とレーザープリンターのずれを知っているから。
レーザープリンターでアートワークを出力すれば大体最終的な感じがつかめるというのが主な理由です。インクジェットだと、特有の結果が最終的な印刷へイメージしにくいです。
と、いうことでインクジェットは複合機でほとんどスキャナー兼コピー機として使っています。
仕事場のインクジェットプリンター
万能事務機といった感じで仕事場、自宅で1台ずつ使用しています。自分が多用するのはスキャン機能で設定したメールアドレスにスキャン結果をjpgやpdfでメール送信することができます。
一回どこかに保存して、とかいった作業が不要です。スキャン結果を別の人と共有するのも非常に便利です。一瞬だけFAX機能も接続して使える状態にしてありましたが、クライアントを含めだれもFAXを使わなくなってしまったので、結局一回もFAXとして使ったことはありません。
あとはコピー機能も伝票の控え作成などに多用しています。WiFiとも簡単に接続でき、デザインをしないのであれば、これ一台で十分なプリンターだと思います。
と、いいながらこのプリンターを購入したのは3年前、今ではもっとコンパクトで便利な機種が出ているかもしれません。
仕事場のレーザープリンター
これも旧モデルになってしまっているかもしれません。
自分の要望はA3でカラー印刷ができるということのみで、それ以外はありません。
この手の出力機に高精細さを求める声をよく聞きますが、じつはそういった要望ってあんまり意味がないと思います。
ある程度ヘッポコでもよくてむしろヘッポコさが、いわゆる普通の印刷っぽい結果のほうがありがたいと思うわけです。
2021年で最適なカラーレーザープリンターを選ぶとしたら
これは結構考えどころです。主な理由は印刷案件が全体的に減る傾向にあって、そういった事業に対して大きな設備投資はしたくないということです。確か自分が最初に買ったレーザープリンタはOKI Microlineというモノクロで30万くらいするものでした。
2021年の今はカラーレーザープリンターの選択肢も増え値段もかなり安くなりました。そうは言っても、トナーなどのランニングコストも考えると確認用のためだけに何十万もする設備に投資するのはもったいない気もするわけです。
仕事場のプリンターがいまだに数年落ちのEPSON LP-S6160Sなのは、そこが大きなポイントです。型落ちなので公式ストアで購入できないのが残念でなりません。
そこで今新調するとしたらどれか?
このあたりでしょうか。LP-S6160Sで唯一不満なWiFiへの対応ができています。
不思議なのはアマゾンでの価格 。EPSONダイレクトストアでは88000円なのに対して、アマゾンでは16万円もします。
なんで?自分はダイレクトストアでLP-S6160Sを購入しましたが初期状態で問題があって、サービスマンがかけつけて直してくれました。安心感と値段を考えるとEPSONダイレクトストアでの購入がよいと思います。
なぜCanonではないのか?
これ自分でも相当悩んだところなんですけど、傾向としてCanonのプリンターって頑張って、プリンターでの結果の美しさを印刷を飛び越えたレベルまで求めている感じがするんです。デザイナーにとってのレーザープリンターはあくまでシミュレーション。
CMYKでの印刷を飛び越えた、プリンターでの結果の美しさはかえってデザイナーを混乱させます。
それとスキャンに使っている複合プリンターがたまたまEPSONだったので余計なソフトウェアを入れたくなかったのいう理由も手伝って、結局EPSONのレーザープリンターになりました。
なんだかかなりモヤモヤした記事になりましたが、これも現在のメディア変革のせいだと思う次第です。
要は廃れていく紙メディアに対する郷愁もそこそこに賢くいったほうがよくないか?という感じなんだと思います。