トータルバランスを考えた2020年5月の最適モニターはどれでしょうか?知らない間に10bitが当たり前になりつつ今、具体的に様々なモデルを比較したいと思います。
コスト、性能、クリエイティブ作業の中で最適なモニターはどれか?
10bitであることはもはや大前提
1チャンネル(RGB)ごとの再現力が10bit以上であるということが、大前提と考えて間違いないと思います。
純粋に色彩の再現力という観点で考えると、Apple Pro Display XDR以外に選択肢はありません。色域のカバー範囲、輝度、視野角、もうスキがありません。
唯一のスキがあるとすればそのあまりにも高価な価格です。豪華仕様にすると、画面1枚で60万弱というのは少しやりすぎな感じがします。
しかし10bitモニターであるというのが条件であれば、かなり種類が増えてきたので選択の幅がひろがります。
色彩の再現領域を見極める規格
CIE 1931 という色空間を数学的に図式化したグラフがあります。
このグラフをベースにして、発色がどの範囲までをカバーしているかを示すのが、よく見るsRGBカバー率やAdobe RGBカバー率です。
EIZOのサイトに色彩の再現に関するわかりやすい記事 が掲載されています。簡単に説明するとAdobe RGBの色彩再現力はsRGBより優れていて、sRGBは再現できる人が多く、AdobeRGBで色を再現できる人は少ない。
さらにディスプレイは光の三原色、印刷は色の三原色で表現されていて、AdobeRGBであれば共有できる色域がsRGBに比べて多い、ということが言えます。
もっと簡単に言うとAdobeRGB対応機器は高価であるということです。
30インチは欲しい
27インチがかなりポピュラーなサイズだと思いますが、クリエイティブ作業をするのであれば30インチは欲しいところです。
たった数インチですが、かなり大きな差です。
解像度は4Kで
これも重要な要素です。
Adobeのソフトウェアも高解像度、大画面に対応するインターフェイス表示に対応していますし、理想は大きな文字で高解像度、直感的に理解できるインターフェイス環境なら、ストレスのないクリエイティブ環境になると思います。
PD仕様のUSB-C接続
USB-Cという形状、もう当たり前になりつつあります。
MacBook Proの電源もUSB-C形状です。
モニタの接続と電源の供給を一本のケーブルで行えるのは大きなメリットです。
PCのグラフィックカードの出力もUSB-C形状になっていく傾向にあるようです。
なんか気持ち悪い。。。
目安にする規格
VESA という名前を聞いたことがあると思います。
ディスプレイに関するいろいろを規格として策定する団体ですが、そのVESAがディスプレイの性能をHDR400, HDR500, HDR600, HDR1000, HDR1400として規格化しています。
価格も重要
予算がいくらでもあるのであれば、迷う必要なくApple Pro Display XDRか同様のスペックでより拡張性の高いasus PA32UCX やEizo CG3146-BK になると思います。
色域範囲、解像度、サイズ、すべて満足のいくものです。トータルバランスを考えると価格も無視できないファクターです。
ハードウェアの使命、時代の流れで確実に進化していくので、数年後、今最高のものは手ごろな普通のものになるのは確実です。
番外編
27インチですがかなりスペックが高く、ポート類も充実していたので番外編ということでのせました。
画面下部からキャリブレータがにょきっと出てくるようです。
フードもついてくるので撮影ロケに一台あると便利そうです。
価格は2020年5月のアマゾンでの価格です、参考までに。
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