時代で変化するデザイナーが直面する様々なメディア

時代で変化するデザイナーが直面する様々なメディア

 グラフィックデザインといえば紙に展開するのが当たり前でした。

 今では紙はもとより、テレビ、ウェブ、スマホと多様化が進み、さらには横長、縦長とデザインを展開する媒体の統一性がなくなっています。

 そこでデザイナーがかかわりそうな媒体の大きさを考えてみたいと思います。

A判

日本で一番よく見かけるのがA4だと思います。A0の面積が1平方メートルで、そのA0を半分にしていくにつれ、A1, A2, A3, A4…とサイズが小さくなっていきます。具体的な大きさは以下の通りです。

A0 841mm×1189mm
A1 594mm×841mm
A2 420mm×594mm
A3 297mm×420mm
A4 210mm×297mm
A5 148mm×210mm
A6 105mm×148mm
A7 74mm×105mm
A8 52mm×74mm
A9 37mm×52mm
A10 26mm×37mm

B判

かつて学校で多用されていたのがB5判です。最近ではA4のものが増えているように思えます。B0の面積が1.5㎡。それを半分にしていくとB1, B2,…となっていきます。

B0 1030mm×1456mm
B1 728mm×1030mm
B2 515mm×728mm
B3 364mm×515mm
B4 257mm×364mm
B5 182mm×257mm
B6 128mm×182mm
B7 91mm×128mm
B8 64mm×91mm
B9 45mm×64mm
B10 32mm×45mm

テレビ画面

SD, HDTV, UHDTV

 日本でテレビ映像を制作するときは上記のSD,HDTV,UHDTVさえわかっておけばよいと思います。

 SDはほとんど見なくなりましたが、稀にDVDの仕事などで未だに出くわすことがあります。

 詳細は以下の通りです。

SD SDi 480i
SDp 720 × 480p
HD HDTV 720 1280 × 720
HDTV 1080i, HDTV 1080p 1920 x 1080
4K UHDTV 3840 x 2160
8K UHDTV 7680 x 4320

ウェブサイト

 Webサイトはもうレスポンシブデザイン以外考えられません。

 少し高度なコーディング技術が必要になりますが、スクラッチなら、Bootstrap を流用したり、自分の場合はベースにWordpressを利用して優れたテーマを使うようにしています。

 またそのようなテーマを元に会社のエンジニアに最適化や改造をしてもらいます。

 ちなみにDreamweaverはもうインストールもしていません。

 レスポンシブをWordpressのテーマに任せるといっても、ある程度各デバイスのサイズは把握しておくとよいでしょう。

スマートフォン

 画面のサイズの多様性が進んで種類が非常に多いです。

 その時その時で市場に合わせたデザインを求められるのが実情です。

 代理店やクライアントの多くは、いまだにPCでしかWebサイトのデザインをチェックしようとしませんが、必ずデザイナ側で積極的にスマホでチェックするようにしましょう。

 もうどのサイトもアクセスの大半以上がスマートフォンになっています。

Android

 テレビの視聴を意識したモデルが多いせいか、大体HDTV720かHDTV1080と思っておくとよさそうです。

iPhone

 iPhoneX以外は16:9の画面の比率(iPhoneは2:1)で、短いほうが640~1080になっています。

コンピュータ

 コンピューターの画面も様々です、ウェブサイトの幅の最大値を指定してその領域でデザインしていきます。

多様化に対応する必要があるデザイナー

 紙メディアが主体だった時代からは想像もできない状況になっています。

 筆者が若い頃はTVメディア(SD時代)に対して4:3の世界でも積極的にデザインしていきましょう、と活動していました。

 気づいてみるとスクリーンメディアにデザインを排出することのほうが多い時代になっています。

 ここでひとつ気をつけたいことがあります。

 紙はCMYK、スクリーンはRGBでそもそも発色の仕組みが異なります。

 再現できる色調がCMYKは暗く、RGBは明るくなると思っていたほうがよくてお互い再現できない色も存在することです。

 紙でもスクリーンでも同じ印象にデザインを構築していく必要があります。

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Minoru Nitta
グラフィックデザイナー・フォトグラファー
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