マイケルオートンさんが考案した現像方法
アナログ時代にカナダの写真化マイクル・オートン氏が考案した撮影・現像方法でフォーカスの合っていない画像とフォーカスの合っている画像を重ねて作る効果で絵画的な結果になる手法として有名なもので、オートンエフェクトとして知られています。
マイケルオートン氏は未だにご健在のようでウェブサイト も閲覧することができます。
ギャラリーも用意されていて素晴らしい作品をたくさんみることができます。
現代のオートンエフェクトの解釈
オートン氏の作品をみていると、かなりカットによって創意工夫されているように見え一辺倒に同じテクニックで処理したようには見えません。
つまり基本はフォーカスがきていない写真とフォーカスが合っている写真を多重露光で現像してそれぞれの度合いなどはカットによって適宜変え、必要であればそれ以上のことをやっているように見えます。
そのような気概をPhotoshopへ持ち込もうというのが今回の趣旨です。
つまりレイヤーを複製して、複製したレイヤーをぼかして合成するだけでは本当のオートンエフェクトにならないんではないかなと思ったわけです。
現代のオートンエフェクトをやってみる
それでもまず基本から
基本は2枚の同じアングルの写真で1枚はピントがあっている、もう1枚はピントが合っていないものを用意します。
真っ先に思い付くのはぼかしフィルターですが、より光学的な結果を望むとフィルター>ぼかし>ぼかし(レンズ)を使いたくなります。
ところがこのぼかし(レンズ)フィルター、どういうわけかスマートフィルターとしては使えません。
なので今回はぼかしギャラリーのフィールドぼかしを利用します。
フィールドぼかしを使うと光の効果も調節することが可能なので、よりレンズでのぼかし風な結果を得ることが可能です。
元の写真のレイヤーを複製してフィールドぼかしを実行
少し光の効果を強めに設定しました。
またレイヤーはスマートオブジェクトにしていつでも設定内容を変更できるようにしておきます。
ぼかしたレイヤーをソフトライトで合成
もうこの時点でかなりイイ雰囲気です。
ソフトライトで合成したレイヤーを複製する
ぼかしたレイヤーを複製していくと独特な効果が強調されていきます。
ソフトライトで合成したレイヤーをさらに複製する
さらにレイヤーの複製を作成して海の部分だけ効果が強まるようにレイヤーマスクを描画しました。
基本はレイヤー同士の合成
似た画像のレイヤー同士の合成の差が生む効果が基本ですが、自由な発想をもってそのテクニックを使うと、オートンさんのような幻想的な絵に近づいていくと思います。
それにしてもフィルムと印画紙でこんなことをやっていたオートン氏、独創的すぎです。
そして氏の意思には自由自在に今あるテクノロジーで思うがままに表現したらいいじゃんという気概を感じます。
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Photoshopで作るオートンエフェクト的な写真の関連リンク