出力機の解像度に依存しないグラフィック描画ソフト
初めて出会ったIllustratorの名前はIllustrator 88というものでした。てっきりそれが最初のバージョンと思っていましたが、ver1というのがその前にあったのを最近知りました。使用していたマシンはMacintosh Plus。グラフィックデザイン事務所に勤め始めて、その事務所もMacintoshを導入したて。留学中にMac Paintを使っていた自分、グラフィックソフトなんて所詮ギザギザで大した結果は得られないだろうと、ナメてかかっていました。でも、プリンターから出てきた図柄を見て、そのあまりの精細さに腰が抜けたのを覚えています。
ベクターデータ(Illustratorの場合はベジェ曲線)を利用することによって、出力機(モニタ、プリンターなど)の最高の解像度で結果を得ることができる、というのが最大の特徴です。たとえば画面は72dpi、プリンターは600dpi、印刷物を作っているとき、直径10センチのまるを描きたい。画面上での10センチのまると、プリンターから出力されるまるは大きさ同じでも、曲線部分のギザギザ具合は異なります。
出力機の解像度に依存するという性質から、イラストレーターで作成したアートワークはいくら拡大していっても精度が劣化しないというメリットがあります。半面、写真のような複雑な情報を持った画像データの作成や編集は苦手です。
Illustratorはロゴマークデザインのようなはっきりと境界線のあるアートワークを扱うベクターデータ、Photoshopは写真のような境界線のあいまいな不連続性もあるピクセル(ドット)データの編集と覚えておくとよいでしょう。
ワークフロー
ベクターと言われるデータ形状を扱います。遡ればEPSというファイルフォーマット。コンピューターで再現する画像をドットの集まりではなく、線で絵を表現しようというコンセプトでした。
インターフェイス
ベクターという独特な考え方ゆえの、その独特な考え方に基づく、インターフェイスがあります。一番わかりやすいのが、曲線の描画方法。三次ベジェ曲線と呼ばれるこの描画方法は慣れが必要です。
メインメニュー
普段何気なく使っているショートカット、ちゃんとメインメニューの中に表記されています。もちろんメニューの中にだけ存在する機能もあり、詳しく見ていくと、意外な発見があります。
ツールバー
いろいろなツールが入っている道具箱のようなイメージです。線を描くペン、丸を描くコンパス、そのようなものが並んでいるエリアです。ショートカットを覚えると、超絶に時短できます!
ウィンドウパネル
IllustratorもPhotoshopと同様、様々なウィンドウパネルが実装されています。効率よく目的に合わせてパネルを配置すると作業効率大きく改善することができます。